こんにちは!毎週水曜日ブログ更新担当の埼玉営業所のダブルアールです。私がお届けするのは他の曜日とは異色的かもしれませんが、私の入社から最初の半年間までに体験したエピソードを物語です。これから交通保安員や規制保安員の仕事を初めて挑戦してみようと思う人の参考になればと思います。それでは私の物語を楽しんでくださいね。
『ダンプ、ちょうだい!』
-50歳の新人保安員の期待と不安の180日間物語-
第11回:片側交互通行
(全24回予定)
ジャパン・プロ・スタッフの面接を受ける際にワシントン所長から、この仕事がどのようなものか想像できますか?と尋ねられた時、私が答えたのが、道路工事によって、通行止めになっている場所を保安員さんの誘導により、車両が通行するケースを挙げさせていただきましたが、今週のテーマはその片側交互通行(今後は片交と呼びます)です。これまでは私が一般のドライバーとしてその仕事を見てきた、また保安員さんの誘導によって安全に通行してきました。それを今度は私自身が保安員として、通行される人や車両の安全を守ることになったのです。
それでは片交の業務内容をご紹介していきます。
① 通行止め車線の規制
現場の車線規制の前に、工事施工箇所の200メートル、100メートル、50メートル、そして車の停止位置(私の経験上ではこの間隔でしたが、現場によっては違う場合があると思います)の場所に告知看板を立てます。そして時間が来ると、普段は二車線ある車道の一車線を通行止めするため、矢板、コーン、工事の看板を所定の場所に並べ始めます。この通行止めの準備開始とともに片交が始まります。
② 無線のやりとり
片交は距離によっては一人で行う場合もありますが、私が普段経験しているのは通行止めとなっている道路の両側に一名ずつ、中央に一名の合計三名体制で行っています。この片交で重要な役割をするのが無線連絡です。ベテラン先輩の方々は無線がなくてもお互いのボディランゲージで意思疎通ができると聞いたことがありますが、まだまだ発展途上の私には無線は絶対必要です。無線のやりとりは次のような内容です。担当者A側に車両が接近すると、
担当者A:「車両接近、流します」
反対側の担当者B:「どうぞ」と言って、B側に車両が来た場合は車両を止める必要があります。
A側の車両がすべて通過すると、最後の車両が白の乗用車で車両番号下二桁が89の場合、
担当A:「ラスト、89、白の乗用」と言います。
担当B:「89、白、乗用、了解」とAの内容を連呼します。このセリフは通行止めの距離やベテラン度合いによって省略される場合があります。
担当Bの前に白の乗用車89番が通過すると、
担当B:「89、白の乗用、確認しました。折り返します。」と言います。「折り返します」はB側で待機車両がある場合です。
担当A:「どうぞ」
この「どうぞ」がない場合は、担当者Bはどんなことがあっても待機車両を前進させてはなりません。担当者Aの「どうぞ」はA側で車両を待機が完了していることを意味し、「どうぞ」がなければ、A側から車両が流れてくる可能性があるからです。
このような無線のやりとりを繰り返すことで、通行止め箇所の安全を確保します。中央の担当者は万が一誤った誘導による事故を未然に防ぐことや、工事箇所を通行する車両、工事関係者の安全保安のために配置されています。交差点が絡んだ片交の場合、両側の担当者が信号が見えない場合があり、中央の担当者が信号の変わり具合を無線で伝え、車両が詰まって片交ができない状態を防ぐ場合もあります。
片交の細かな内容は現場に配置されるとさらに誘導棒の使い方、車両の停止依頼の仕方など学んでいただく必要があります。また上記のように信号が絡んでくるケースもありますので、一回で誘導する車両の台数や時間を意識しておく必要もあります。
個人的には半年間で複数の種類の業務に携わりましたが、片交は最も緊張する業務です。誤った案内で両側の車両がどこかで正面衝突するようなことが起こってはならないからです。
次回は新潟遠征のエピソードになります。
次回に続く…