こんにちは!毎週水曜日ブログ更新担当の埼玉営業所のダブルアールです。私がお届けするのは他の曜日とは異色的かもしれませんが、私の入社から最初の半年間までに体験したエピソードを物語です。これから交通保安員や規制保安員の仕事を初めて挑戦してみようと思う人の参考になればと思います。それでは私の物語を楽しんでくださいね。
『ダンプ、ちょうだい!』
-50歳の新人保安員の期待と不安の180日間物語-
第10回:東京オリンピック
(全24回予定)
2021年夏、コロナの影響で開催が1年延期された東京オリンピック2020が開催されました。この夏は首都圏では道路工事が一斉にストップしました。景観や渋滞問題の解消が理由だったからのような気がします…。
そんな状態で仕事が激減する日々だったのですが、ジャパン・プロ・スタッフではこの時期限定のユニークな業務が舞い込んできました。私はここで2種類の業務にめぐり合えました。
① 国立競技場付近の保安業務
東京オリンピックのメイン会場となる国立競技場周辺一部では競技場に近づく車両を限定しており、私は青山の神宮球場方面に向かって左折する車両への注意喚起のために保安を行っていました。真夏の炎天下で、いつ熱中症で倒れてもおかしくない状態でした。水分補給を行い、首回りには濡れタオルを巻いて任された一時間働き、次の先輩と交代することを繰り返しました。時折、雲が広がり、ビル影の影響で直射日光を避けられる時もありましたが、この業務で私はとある有名人から声をかけられました。黒い四駆の車が私の横に泊まり、助手席の窓が降りると、運転席にいる若い青年が何かしら身分証明を差し出して次のように声をかけてきてくれました。
「ヤクルトスワローズの奥川です。ロッカールームの荷物を取りに来たのですが、こちら曲がってもよろしいでしょうか?」
その青年は今やヤクルトスワローズのエースである奥川泰伸投手だったのです。礼儀正しいあいさつは恐らく星稜高校時代に教育されたものだろうと直感しました。かつて甲子園球場で準優勝した将来の大投手と巡り合えることができたのです。スワローズのファンではないですが、この一瞬で好感度アップになり、奥川投手の大ファンになりました。奥川投手はこの年、大活躍されスワローズの日本一にも貢献されています。
② 首都高テロ対策保安業務
こちらは真夜中の首都高速のパトロール業務です。定められた数か所のパーキングエリアを巡回し、特定の場所の安全確認です。テロ対策という名目で爆破物、危険物が設置されていないかを確認する業務だったのですが、このパトロールを請け負った企業さまの担当者さまが指定された場所の証拠写真を撮影し、ジャパン・プロ・スタッフがその担当者さまの警備を行うものでした。なんだかボディガードのようなお仕事でした。普段首都高のパーキングエリアを利用することがないのですが、初めて平和島のパーキングエリアに入り、ここでびっくりしました。若い世代の男女を中心としたグループが集まっており、どうやら彼らの車をお披露目するような会の集まりでした。当時は緊急事態宣言下の東京でしたが、若者が多く集まり、大丈夫かなと心配でした。映画産業に居た私からみるとまるで映画『ワイルドスピード』のような世界に見えました。
以上がオリンピック期間中に経験した業務の内容です。生きている間に再び東京でオリンピックが開催される可能性を考えると、この時だけの限定的な経験になりました。その後、パラリンピックが始まり、再び競技場周辺の保安に戻りましたが、今度は競技場正面の保安になり、時折競技場からどこかの国の国歌が聞こえてきました。表彰式のタイミングだったのだと思います。
次回は片側通行業務についてご紹介していきます。
次回に続く…